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EUの原油禁輸に反発
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(以下引用)
イラン外務省は23日、欧州連合(EU)によるイラン産原油の輸入禁止決定を「非論理的な決定」と反発した。しかし、原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡 を封鎖する可能性には触れず、軍事対決を望まない本音ものぞく。ペルシャ湾に展開する米英仏3カ国の艦船は不測の事態に備えるが、11月の大統領選を控え るオバマ米大統領は制裁強化によりイランを核交渉のテーブルにつかせたい考えだ。正面衝突回避で米・イランの思惑は一致しているとみられ、今後、駆け引き が熱を帯びそうだ。
イラン外務省は23日の声明でEUの原油禁輸を「米国追随」と位置づけ、「欧州の経済・社会問題を放置し、国民の関心を外部にそらすためのものだ」と指 摘した。米欧がウラン濃縮活動の停止を求める核開発については「平和目的だ。今後も圧力には屈しない」と継続する立場を強調した。
イラン国営通信によると、モスレヒ情報相も23日、「禁輸制裁は何の脅威でもない。敵国は(中東)地域におけるイランの影響力を抑え込みたいだけだ」と非難し、石油省は「制裁は欧州だけでなく世界経済に打撃を与えるだろう」との声明を発表した。
保守強硬派のイラン国会議員からは「(禁輸決定で)原油輸出に支障が出れば、必ずホルムズ海峡を封鎖する」との発言も出たが、外務省など政府の公式反応には挑発的な言葉は少なく、敵対姿勢を抑制しているようだ。
米メディアに勤務するテヘラン在住のイラン人男性記者は「イラン政府は米欧と本格的に衝突する気はない。近くホルムズ海峡で再度の軍事演習が予定されているためイラン側から強気な言葉が出るかもしれないが、すべて国内向けのポーズだ」と語る。
一方、米国内では対イラン強硬論が勢いを増す。空母エーブラハム・リンカーンが22日、ホルムズ海峡を通過してペルシャ湾に入り、「万全の準備」(パ ネッタ国防長官)を取る。だが、オバマ大統領にとって選挙が近づく中での軍事攻撃は危険をはらむ。同盟国の制裁協力を取り付けてイラン包囲網の強化を急ぐ とみられる。
米外交誌「フォーリン・アフェアーズ」最新号は軍事攻撃を主張する論文を掲載。共和党の大統領候補指名争いではロムニー前マサチューセッツ州知事が大統 領の対イラン政策を「弱腰」と批判し、ギングリッチ元下院議長がイスラエルによるイラン攻撃を支持するなど「強い米国」を有権者に誇示する風潮が広がって いる。
だが、大統領は巨額の財政赤字削減のため昨年末にイラク戦争をようやく終結させたばかり。米調査機関ピュー・リサーチ・センターの世論調査によると、米 国民の81%は24日夜の大統領一般教書演説で「内政」が重視されるべきだと答えており、「外交」と答えた国民はわずか9%。このような状況下で軍事行動 に踏み切っても国民の支持は得にくい。
昨年11月までオバマ政権の国家安全保障会議で中東・南アジア担当上級部長だったデニス・ロス氏は今月9日、米ブルームバーグ通信のインタビューで「大 統領は制裁や外交が失敗すれば、軍事力行使も辞さない考えだ」と述べた。軍事攻撃の可能性をちらつかせてイランから譲歩を引き出したい大統領の狙いが透け て見える。